渡邊 駿WRITER / EDITOR ← ポートフォリオへ戻る

執筆サンプルについて。体験談エッセイの書き方をお見せするための執筆サンプルです。実在の人物・出来事ではなく、想定読者に寄り添うための創作です。記事の構成・本文はすべて渡邊が執筆しています。

体験談エッセイ /美容・スキンケア

スキンケア迷子だった私が、やっと「これでいい」と思えるまで

約1,500字一人称エッセイ執筆:渡邊 駿

洗面台に並ぶスキンケア用品のスタイリング写真

「新作が出るたびに気になって、また買っちゃった」

友達にそう話したら、「それ、去年も同じこと言ってなかった?」と笑われました。言われてみれば、たしかにそうだったのです。振り返れば、かれこれ3年近く、同じことを繰り返していました。

スキンケア迷子だった日々を振り返って

気づけば、洗面台が試供品だらけになっていました

SNSで話題のメンズ美容液、雑誌で紹介されていた韓国発のスキンケアブランド、友人がおすすめしてくれた導入化粧水。良さそうなものを見つけるたびに試して、気に入らなければまた次を探す。その繰り返しで、洗面台の棚には使いかけのボトルが常に10本近く並んでいました。

「もっと自分の肌に合うものがあるはず」。そう思って探し続けているつもりでしたが、今思えば、ただ新しいものに飛びついていただけだったのかもしれません。季節が変わるたびに、洗面台の引き出しの中身がまるごと入れ替わるような状態でした。効果を感じる前に次のものが気になって、結局どれも半分も使い切らないまま増えていく。そんな暮らしが、もう何年も続いていました。

「なんとなく」で選ぶことに疲れていました

正直なところ、スキンケア選びに疲れていました。新商品の情報を追いかけるのは楽しいはずでした。それなのに、いつからか「これを買わないと乗り遅れる」というような、義務感に近い気持ちになっていたのです。ふと家計簿をつけてみたら、スキンケアだけで月に1万円以上使っていた月もあり、自分でも驚きました。

友達に指摘されたその日、久しぶりに洗面台をちゃんと片付けてみました。半分も使っていない化粧水が5本、開封すらしていない美容液が3本、サンプルのパウチが数えきれないほど。それを見て、さすがに自分でもおかしいと思いました。「これだけあるのに、私は自分の肌に何が合うのか、結局分かっていない」。そう気づいた瞬間でした。

「これでいい」と思えるようになるまで

それから、新しいものを探すのをいったんやめてみることにしました。今持っているものの中から、使い切っていないものを順番に、最低でも1本使い切るまでは次に手を出さないと決めて。派手な効果はなくても、肌の調子が明らかに悪くなるものもありません。3週間ほど続けたころ、「これで十分だったんだ」と、拍子抜けするくらい普通に感じました。

新商品の情報が目に入っても、「今使っているものを使い切ってから」と、一度立ち止まる癖がつきました。それだけで、気持ちがずいぶん楽になりました。合わないものを探して彷徨っていたのではなく、単に立ち止まる勇気がなかっただけなのだと思います。

今は、これでいい

落ち着いた表情でスキンケアをする様子

今も特別なスキンケアをしているわけではありません。ただ、新しいものに手を伸ばす前に、「今のままで困っていることは何か」を一度考えるようになりました。困っていなければ、それでいい。それだけのことに、3年近く遠回りをして辿り着いた気がします。

「それ、去年も同じこと言ってなかった?」と言われることは、もうなくなりました。洗面台の棚には、今も同じ3本が並んでいます。

この記事について

美容・コスメジャンルにおける、一人称の体験談エッセイの執筆サンプルです。共感を軸にした構成・語り口で執筆しています。

同じ流れで、ご依頼のジャンル・トンマナに合わせた体験談記事を執筆します。

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